「微生物」の最近の記事

ザ・袋!フクロワムシモドキ

泳いでいるのは、フクロワムシモドキ Asplanchnopus と思われます。水田で採取。
(フクロワムシには足がないのですが、モドキの方には小さな足があります)

上の動画は実体顕微鏡で。眺めていると、なんだかクラゲ水槽のような癒され感がありますね〜。ぶつかった時の仕草がまたかわいい。

彼ら、粘っこい糸を出すようで、途中からそれがお互いに絡まって数珠つなぎになってしまっています(16秒あたり〜)。

で、こちらさん↓は中でもひときわ透明度が高かったお方。透明すぎてなんか不思議。ザ・袋!という感じ。
こちらは生物顕微鏡にて撮影。

眼のないミジンコの子

水田で採取。
タマミジンコの子っぽい感じなのですが、なんと、あの大きな複眼が見当たりません。
その位置にぽちっと小さな点は見えますが…

この時、同様に眼のない子がもう一匹入ってきていて、その子は殻も形成不全な感じで、採ってから1日ほどで亡くなってしまいました。
この動画の子も、その翌日にはお星様に…

まんまる緑藻 エレモスフェラ

水田サンプルで見つけた、ボールみたいなまんまる緑藻(こんなところに球が!って感じ)。
恐らくエレモスフェラ Eremosphaera と思われます。
円盤状の葉緑体が多数あり、それぞれに1個ずつピレノイドがあります。

同一の細胞(大きさ100µm弱)を、ピント位置違いで3枚どうぞ〜

Eremosphaera 1
Eremosphaera 2
Eremosphaera 3

ブルサリア

水田から水をもらってきたら、ブルサリア Bursaria がたくさん入ってました。
和名はフクロミズケムシ。形が独特で面白いですよね〜。

このひとは、大きさ340µm弱くらい。

緑藻じゃなかったー。ユーグレナだあ。

ホシガタケイソウのお隣さん。カラキオプシスか何かの緑藻類がいっぱい付いてる〜と思ったら、う、動いた!
騙されたー(^^)!ユーグレナ藻だあ。
着生し群体をつくるということで、コラキウムColaciumでしょうか。

*以下リンク先の写真によく似てます。
Colacium epiphyticum, a sessile euglenoid flagellate (plingfactory.de)

ストロビリディウム、マルロモナスに追い出されるの巻

繊毛列に切れ目なく、頭部にC字形の核があるようなので、ストロビリディウム Strobilidium でしょうかね〜。珪藻の側でご機嫌な様子。

…が、ずーっと周りをウロチョロしてたマルロモナスがなんと衝突〜!(繊毛列に巻き込まれた?)
ストロビリディウム、びっくりして逃げちゃいました。

しかしこのマルロモナス綺麗ですね〜。宝石みたい(ペリドットっぽい)。

泳ぎ廻るグリーン。

一滴の水の中を泳ぎ廻ってるこれ、なーんだ?
(先日採ってきた池サンプルに、たくさん入ってました。ミドリゾウリムシじゃないよ〜)

遠目にはパンドリナかと思いましたが、拡大してみると細胞間に隙間があります。ユードリナEudorinaかヤマギシエラYamagishiellaですね。
昨年見たものは細胞数が16個でした。こちらは32個のようです。

ユードリナとヤマギシエラは姿が似ていますが、ユードリナの方は有性生殖の配偶子に雄雌の区別があります(ヤマギシエラは同型配偶)。

中に一つだけ、細胞間隔が広めの群体が。成長段階の差なのか別種なのかは不明。

泳ぐキウイフルーツ→ナスラ

池サンプルを泳ぐキウイフルーツみたいな奴を発見。どうやらナスラNassulaと思われます。大きさは150µm前後。

寄ってみると、梁器(cyrtos)と呼ばれる特徴的な口部が見えますね。体内のカラフルな色は、食べたシアノバクテリアの消化段階の違いによるものらしいです。

時々動きがカクッとしてるのは、トリコシスト発射のせいかと思います。動画最後、左側に写ってる細いのが発射されたものでしょうね。
(ナスラにはトリコシストのある奴とない奴がいるとのこと)

トラケロフィルム

こちらは恐らくトラケロフィルム Trachelophyllum。大きさは130µm弱くらい。
後端に収縮胞。体はかなり柔らかそう。

前方のドーム状に突き出した部分が細胞口ですが、やはりラクリマリアなどの近い仲間(シオカメウズムシ目)と感じが似ていますね。

シオカメウズムシといえばディディニウムなんですが、そちらはまだ見たことがありません。ぜひ一度ゾウリムシに槍を打ち込むのを目撃したいものです…

ミドリゾウリムシの遊泳

ミドリゾウリムシParamecium bursariaがたーくさん泳いでるんですが、見えますでしょうか〜?

先日の容器から数匹を薄いハイポネックス溶液(15ml容器でハイポ2〜3μL程度)に入れ照明の下に置いておいたら、かなり増えてきました。

1滴とってみると、こんな感じ。

実体顕微鏡で見る繊毛虫たちは、まるで夜空の星のようです。

レプトファリンクスっぽい

冒頭6秒ほど(暗視野)は、実体顕微鏡で見た、とある容器の底。賑わってますー。
その後(明視野)は、ここの水を少し取って、生物顕微鏡で見たもの。えと、これ誰?もしやレプトファリンクス Leptopharynx かなあ?

動画から切り出した静止画も置いときます。

レプトファリンクスっぽい

細々とミドリゾウリムシ

ひと月以上前の池サンプルで、細々とミドリゾウリムシ Paramecium bursaria が生き延びています。
(プラ容器のまま水槽脇に放置してますが、少なくとも数匹のミドリゾウリムシがいます)

前方と後方に一つずつ、計2個の収縮胞がよく見えますね。
共生藻(クロレラ)の緑が綺麗。なんと彼らは、共生クロレラを除去されても大丈夫で、再共生も可能とのこと。興味深い。

オナガさんの早産

オナガミジンコさんは割とデリケートで、観察時にストレスで卵を落としてしまうことが時々あります。体型が細身なうえ、驚くと腹部を大きく動かしてその場から離れようとするためでしょうか。

なので、最近はなるべく、中途半端な時期にお母さんをスライドグラスに載せないようにしています。

こちらは、今にも生まれそうな子を4匹背負った個体。我が家にいるオナガさんの中では子だくさんです。もうこれ以上入らなーい!って感じでお腹、じゃなかった背中満杯です。

しばらく見ていたら、1匹が産まれ出てきました!(15秒あたり)
といっても、どうやらオナガさんにありがちな事故というか、やや早産ぽい感じです(ごめんなさい)。とはいえ、子どもの方はすぐに元気よく泳ぎだしましたので、一安心です。

お母さんを疲れさせてはいけないので、生まれた子と一緒に、容器に戻っていただきました。実体顕微鏡を通して暗めの照明で肉眼で観察を続けたところ、約2時間半後に最後の子が産み落とされた模様です。

フトオケブカミジンコ赤ちゃんの寝返り

フトオケブカミジンコIlyocryptus母さんの背中には、赤ちゃんが2匹(1匹は奥側なので分かりにくいのですが)。

お母さんがお尻を持ち上げた隙に、2匹一緒にくるりん♪寝返り打ってる!なんてかわいいんだ〜〜(*´∀`*)

以下、フトオケブカミジンコを飼ってみたい方(いるのか?)への参考情報。

ミジンコ飼育用土としては、ごうぎしげるさんが勧めている花ごころ 特選有機花ごころ培養土」が鉄板だと思うのですが、フトオケブカミジンコの場合だけはお勧めできません。育たないからではなく、完全に用土に潜ってしまって、どこにいるか分からなくなるからです(^^;)

私は、小型容器の底にプラチナソイルのスーパーパウダーをばらまいて(敷き詰めず隙間を開ける)飼育しています。これだと土の粒の間にいるのがよく見えます。

巨大風船トラケリウス

まるで大きな風船のよう。大きさ約350µm。
トラケリウスの大型種だと思います。Trachelius ovumかな?
表層にたくさんの収縮胞が見えています。

先日別のトラケリウスを見た際も「Trachelius ovumでしょうか」と書いたのですが(270µmほどあった)、これはさらに大きく、雰囲気もちょっと違います。
もしかするとこちらがovumで、あちらは別種だったのかも知れません。

ハダカオビムシ?

渦鞭毛藻の仲間のようです。ハダカオビムシGymnodiniumでしょうか?
大きさは30µm弱。

どアップにしてみると(後半)、横溝に沿って鞭毛が動いているのがわかりますね。
横鞭毛は溝に沿ってリボン状に巻いたような形状になっているそうです。

参考:
渦鞭毛下門 Infraphylum Dinozoa(生きもの好きの語る自然誌)
細胞の構造(ようこそ渦鞭毛藻類の世界へ)

進行形の寄り目?(オナガさん)

こちらは、飼育中のオナガミジンコさん。
背中の子どもがだいぶ大きくなっていますが、まだ複眼が融合していない(2つに見える)ので、生まれてくるまでもう少しかかるんだろうな〜と思いながら見ていました。

ところが…

その直後に見つけた、生まれてさほど経っていなさそうな小さな個体を検鏡すると、あれー!
複眼の融合、完了してないじゃん!

複眼が一つにならないうちに生まれてくる種類のミジンコさんもいるらしいので、オナガミジンコもその一つ、ってことなのかなー?

静止画も置いときます。

オナガさんベビー

エンキオネマ・チューブ

池サンプルより、長〜く連なった珪藻を発見。

珪藻群体

粘液質の管(多糖類でできている)に入った群体で、おそらくエンキオネマ(ハラミクチビルケイソウ)属Encyonemaではないでしょうか。

その横っちょに、ミドリムシがくっついてました(^^)
珪藻単体の形はキンベラさんに似てますね(実際、以前はCymbella属に含められていたそうです)。

参考:
珪藻の生活形(珪藻の世界)
エンキオネマ属(霞ヶ浦のプロチスタ)
MWS 本日の画像(2014年2月14日の記事参照)

優雅なカタオワムシ

どうやらカタオワムシMonommataさんと思しきお方。
長〜い趾(あしゆび)に柔らかな体。
弧を描いて優雅に去っていきました。

[余談]現在mScopePalの改修作業中。次バージョンでは撮影モードやホワイトバランス値が保存できるようになる見込み(^^)

小容器のヌシ(フトオさん?バキさん?)

小容器の一つは今こんな感じ。
主は、フトオケブカミジンコIlyocryptus
ひょこひょこした動きで、泳ぎはへたっぴ。たいてい土の間でもぞもぞしてます。
(オカメさんちに居候だったはずが、気づいたらフトオさんちになってました)

しかしよく見ると…もしや主は大増殖中のバキラリアBacillariaの方?
(輝く細いものがたくさん動いてるの、見えますかー)

こちら住人のおひとり、フトオケブカミジンコさん。背中に子が。
バキラリアやらナベカムリやら、色々くっつけてる〜(ワムシさんも)

こちらも住人の皆さん。
珪藻にユレモ、緑色のはヒビミドロの仲間?
バキラリア(クサリケイソウ)がバッキバキに伸び縮みしてます。

タマミジンコの出産+脱皮

タマミジンコさん容器を覗いたら、糸状藻が絡んで前に進めなくなっている子持ちタマちゃんがいたので、藻を切ったついでに観察させてもらうことに。

美しいですね〜。子どもはだいぶ大きくなっていて、体や目を動かしています。

しばらく見ていたら、なっなんと出産(産仔)が始まりました!
(↓その瞬間よそ見していてピントが外れてます。画面見てあわわわーってなりました)

出てきた子どもたちはなんだかペンギンのようで、可愛いのなんの。

4匹のうち3匹はするっと出てきたのですが、1匹がなかなか出てきません。
片手をあげたまま育房に押し戻されるもがんばって、7分ほど遅れて生まれてきました!

…と気がつくと、今度はお母さんが脱皮してる〜〜!
今まで知りませんでしたが、タマミジンコは脱皮直前に産仔を行う*のですね。

子「うまれたよ!わーいわーい!」
母「みんな良かった!お母さんも脱皮して生まれたよ!わーいわーい!」

*参考:
タマミジンコ(Moina macrocopa Straus)の卵巣における夏卵の発達および育房中での胚発生について

カクネコワムシ

池サンプルを実体顕微鏡で観察中、ローリングしながら泳ぐ角張ったシルエットのワムシさんを発見。プレパラートに封じてみたらカクネコワムシPlatyias patulusでした。

2枚目の写真では咀嚼器(trophi)らしきものがよく見えてますね。

Platyias patulus 1
Platyias patulus 2

*ワムシの咀嚼器については以下に分かりやすい図があります。
ワムシの歯?再び(平安二丁目の窓から)

こちらはカバーガラス無しで、自由に泳いでもらった様子。
ほぼ同じ場所にとどまっている時も、ゆっくりローリングしています。

卵持ちの個体もいました。
(後半、咀嚼器の動きがよく見えます)

小容器でミジンコさん飼育

このところ、小さなアクリル容器でミジンコさん飼育を試し中。水量15ml。
(容器の注意書きには液体不可とありますが、持ち運ばないので…はい。実にいい感じです。極小アクリル水槽です)

動画は、投入から1ヶ月ほど経ったオナガミジンコさん容器。
オナガさんは肉眼鑑賞にすごく向いている気がします♪

ホームボタン陥没のiPod touchで撮影 笑

*容器が小さいので、ハイポネックスやクロレラ溶液の投入に5µLの定量小型ピペットを使ってみたら便利でした〜。いちいちマイクロピペットの容量を設定し直すのは面倒くさいですからね。
テストチップが2個付いているので、ミジンコさんのお世話だけならこれで当分事足ります。
元々の製品ページ(Junior Pipette | Accumax)を見ると広範なチップが付くように作られてるようだし、替えチップは純正じゃなくても大丈夫そう。

ディスティグマのユーグレナ運動

遊泳中のディスティグマを発見。Distigma proteusでしょうか。ピントを合わせていたらユーグレナ運動を始めました。

3分後には鞭毛を激しく震わせるようになり、その後2分ほどで鞭毛を自切。トータルで10分ほどユーグレナ運動が続きました。

原生動物学雑誌に掲載の論文『ユーグレナ運動(洲崎敏伸)』によれば

「(運動を引き起こす刺激が強い場合)…ユーグレナ運動がひきおこされるばかりでなく、鞭毛が自切されることもある。このような場合には、泳げなくなった細胞は水の底に沈むことによって有害な環境から脱出するのであろう」

との事。この動画のディスティグマも、観察時の刺激によりそのような反応を示したのでしょう。

長いシヌラ

シヌラSynuraの群体は丸いという印象があったんですが。これはずいぶん長いですね〜。
調べてみると、こういう長い群体をつくる種類もいるようです(Synura spinosaなど)。

見つけた時は全長一体になって泳いでいましたが、だんだん捻れる感じになり、やがて数個ずつの群体に別れました。

しかし当たり前ですが、それぞれの細胞はマルロモナスに良く似てますね。

参考:
シヌラ属の1種 Synura sp.
シヌラ属 Synura(原生生物情報サーバ)
Synura spinosa Korshikov 1929 (plingfactory.de)
Synurales (Penard Labs)

オナガさんの突起(と美しい瞳)

サンプル採取に行けていないので、しつこく家のオナガさんに相手をしてもらいます。

ニッポンオナガミジンコは第2触角基部の突起に縦の芯があるように見えると教えていただいた(『日本産ミジンコ図鑑』の図もそのようになっている)ので、激寄りしてみました。

おお、なんと美しく大きな瞳。
そして…突起にありますね〜縦の芯!
(見せてくれてありがとう)

動画から切り出した静止画。矢印の先にあるのが問題の突起。

第2触角基部の突起

ということで、この子はニッポンオナガミジンコで間違いなさそうです。

ニッポンオナガミジンコ全身

キラキラ☆オナガミジンコ

実体顕微鏡で見るオナガミジンコさんは、いつも体のどこかがキラキラしてます。とにかく美しいミジンコです。
しかし細身で臆病ですばしっこいので、撮影は難儀します…

いつも、ワキの下のあたりに点滅ライトがついてるみたいにチカチカして見えるんですよね〜(動画前半)。
また、透明度が高いので、逆光気味で見るとガラス細工のよう(後半)。

こちら↓は土の上でリラックス中のオナガさん(運良く!寄り寄りできました)。
透明な体なのでやや見えづらいですが、左側が頭です。
第2触覚の付け根の下辺りで、左右の筋が交互に動いています。これが、あのキラキラを生み出しているのですね!
興味深いです〜。

最初に飼育を始めた個体は子を残さず亡くなってしまいましたが、その後採ってきたサンプルに10匹近いオナガさんが入っていました。毎日クロレラを与えて、殖やすことができました。
(実体顕微鏡Zeiss Stemi 305で撮影)