美しい放散虫たち(2巡目)28-30
美しい放散虫たち(2巡目)28-30
一滴の水の中を泳ぎ廻ってるこれ、なーんだ?
(先日採ってきた池サンプルに、たくさん入ってました。ミドリゾウリムシじゃないよ〜)
遠目にはパンドリナかと思いましたが、拡大してみると細胞間に隙間があります。ユードリナEudorinaかヤマギシエラYamagishiellaですね。
*昨年見たものは細胞数が16個でした。こちらは32個のようです。
ユードリナとヤマギシエラは姿が似ていますが、ユードリナの方は有性生殖の配偶子に雄雌の区別があります(ヤマギシエラは同型配偶)。
中に一つだけ、細胞間隔が広めの群体が。成長段階の差なのか別種なのかは不明。
池サンプルを泳ぐキウイフルーツみたいな奴を発見。どうやらナスラNassulaと思われます。大きさは150µm前後。
寄ってみると、梁器(cyrtos)と呼ばれる特徴的な口部が見えますね。体内のカラフルな色は、食べたシアノバクテリアの消化段階の違いによるものらしいです。
時々動きがカクッとしてるのは、トリコシスト発射のせいかと思います。動画最後、左側に写ってる細いのが発射されたものでしょうね。
(ナスラにはトリコシストのある奴とない奴がいるとのこと)
こちらは恐らくトラケロフィルム Trachelophyllum。大きさは130µm弱くらい。
後端に収縮胞。体はかなり柔らかそう。
前方のドーム状に突き出した部分が細胞口ですが、やはりラクリマリアなどの近い仲間(シオカメウズムシ目)と感じが似ていますね。
シオカメウズムシといえばディディニウムなんですが、そちらはまだ見たことがありません。ぜひ一度ゾウリムシに槍を打ち込むのを目撃したいものです…
ミドリゾウリムシParamecium bursariaがたーくさん泳いでるんですが、見えますでしょうか〜?
先日の容器から数匹を薄いハイポネックス溶液(15ml容器でハイポ2〜3μL程度)に入れ照明の下に置いておいたら、かなり増えてきました。
1滴とってみると、こんな感じ。
実体顕微鏡で見る繊毛虫たちは、まるで夜空の星のようです。
冒頭6秒ほど(暗視野)は、実体顕微鏡で見た、とある容器の底。賑わってますー。
その後(明視野)は、ここの水を少し取って、生物顕微鏡で見たもの。えと、これ誰?もしやレプトファリンクス Leptopharynx かなあ?
動画から切り出した静止画も置いときます。
美しい放散虫たち(2巡目)25-27
ひと月以上前の池サンプルで、細々とミドリゾウリムシ Paramecium bursaria が生き延びています。
(プラ容器のまま水槽脇に放置してますが、少なくとも数匹のミドリゾウリムシがいます)
前方と後方に一つずつ、計2個の収縮胞がよく見えますね。
共生藻(クロレラ)の緑が綺麗。なんと彼らは、共生クロレラを除去されても大丈夫で、再共生も可能とのこと。興味深い。
容器の中で、高層ビルみたいに高〜くユラユラと育っていた珪藻。
オビケイソウ Fragilaria の一種かな。
オナガミジンコさんは割とデリケートで、観察時にストレスで卵を落としてしまうことが時々あります。体型が細身なうえ、驚くと腹部を大きく動かしてその場から離れようとするためでしょうか。
なので、最近はなるべく、中途半端な時期にお母さんをスライドグラスに載せないようにしています。
こちらは、今にも生まれそうな子を4匹背負った個体。我が家にいるオナガさんの中では子だくさんです。もうこれ以上入らなーい!って感じでお腹、じゃなかった背中満杯です。
しばらく見ていたら、1匹が産まれ出てきました!(15秒あたり)
といっても、どうやらオナガさんにありがちな事故というか、やや早産ぽい感じです(ごめんなさい)。とはいえ、子どもの方はすぐに元気よく泳ぎだしましたので、一安心です。
お母さんを疲れさせてはいけないので、生まれた子と一緒に、容器に戻っていただきました。実体顕微鏡を通して暗めの照明で肉眼で観察を続けたところ、約2時間半後に最後の子が産み落とされた模様です。