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機能するアクセシビリティ

【イラスト:高知福祉機器展マスコット バリフリ君】

写真についてのエントリーではなくて恐縮です。
私が制作担当したインターネット福祉機器展サイトが先日オープンしましたので、ご紹介させてください。

サイト名通り、車いすやら特殊な入力装置やら自助具やら介護用品やら、
いろいろな福祉機器を、写真や動画で見ながら比較検討できるようになっています。
介護のポイントなども動画で見ることができます。

福祉機器って、必要になってから慌てて情報収集するパターンがほとんどで、
しかも、各々のユーザーに合った機器が必要なのに、
比較検討できる場がなかなかありません。
特に高知のような地方では、
ユーザーが商品情報を網羅的に集めることが難しい現状ですので、
その意味で存在意義は大きいのではないかと思います。

4年程前からアクセシビリティに取り組んでいる関係で、今回制作を担当しましたが、
実際に障碍をお持ちのユーザーからも意見を聞くことができ、
個人的にも大変勉強になりました。

鬱陶しいのでサイトにはいちいち表記していませんが、
情報の取得/入力等にハンディのある人の利用頻度が高そうなブースは
リストの最初の方に置くなど、
基本的なアクセシビリティの他にも、スタッフで協議の上いろいろな工夫をしています。
もちろん全ての方にとって100点にはなり得ませんが、
できるだけ多くの局面で、70点いや80点以上は取りたいと思っています。

当初スタッフの皆さんはウェブのアクセシビリティを
あまり意識されていなかったようなのですが、
制作が始まってからどんどん「ウチのサイトこそ率先してアクセシブルに!」と
いう雰囲気が増してきて、私もなんとも言えない充実感を味わうことができました。
# 最後は、何か学生時代の部活の楽しさを思い出していました(笑)

暮らしの中で役立つサイト作りのお手伝いが
少しでもできたとしたら、嬉しいなと思います。

なお、情報を早く・広く・アクセシブルに伝えることを第一に考え、
構築はMovable Typeで行なっています(サイトの形式はブログではありません)。

### 以下、制作者の独り言。 興味の無い方は読み飛ばして下さい… ###

制作に際してさまざまな医療・福祉関連サイトを見たけれど、
アクセシビリティ上の配慮が感じられるサイトって、思いの外少ない…

「これじゃ情報が伝わらないよ」と帰ってしまうユーザーさんを想像し、
なんかガックシ。

これに関連して腹が立つのは、アクセシビリティってPRで言ってるくせに、
どうせ発注者には分からない…とばかりに
見栄えだけの低レベルな成果物を出してくる制作業者がいること。

# 確かアクセシビリティを条件に某所に発注したはずの某医療機関サイト。
# その後どうなったかな〜と見に言ったら、フレームだし見出しタグも無いし、
# 「どこがアクセシブルなの?」って感じだったことがある。こういうのむかつく〜〜

ウェブ標準(ウェブスタンダード)できちんと汎用性を持たせることで、
アクセシビリティを含めた、サイトの機能全体を
高めていくことが大切なのにっ。
んで、ページの内を向いた足場(見出し)と外を向いた足場(リンク)
双方への配慮が欠かせないのにっっ。

ウェブページは「見えてりゃいい」ってモンじゃないんだ!
# 発注者さん、せっかくですからどんな局面でも伝わるサイトを作りましょうよ。
# 制作者に関しては何をか言わんや…

投稿者 禁魚 : 2006年3月 4日 21:10 [ もろもろ ]

コメント(8)

禁魚 :

ひとつ書き忘れ。

不可思議なのは、例の東横インの駐車場の騒ぎの時みたいに
「障碍者や高齢者の問題は自分に関係ない」って思ってる人がいること。

どうして、自分が生きて能力を発揮できる場所を、
自分で狭めようとするんでしょうか。不思議です。
死ぬまでずーっと最高のパフォーマンスを誇る
自分で居続けるつもりなんでしょーか。

私は少々自分がオンボロになっても
ウェブをバリバリ活用したいので、アクセシブルに作りますです♪

Legin :

アクセシビリティですか。
私は、視覚障碍者との付き合いがあり、Windowsの表示内容
 を音声で自動的に読ませながらキーボードで操作するユーザー
 が身近に存在します。

高知といえば、音声読み上げソフト「PC Talker」を開発した
 「高知システム開発」がある地としてこちらでも一目置いて
 いますが、今まで点字でやり取りしていたのが、テキスト
 ファイルや墨字で紙に印刷してやり取りできることを喜んで
 います。

その流れで、私もアクセシビリティを配慮したWEBサイトや
 ソフトウエアの開発を行うことがありますが、やはり
 業者任せには出来ず、使用者と開発者とのコミュニケーション
 を重んじるスタイルが喜ばれます。

しかし、私個人としてのWEBサイトは、一言でいいから写真の
 説明を入れるだけでもアクセシビリティに寄与することが
 分かっていても対応するのは正直なところ億劫ですね・・・。

禁魚 :

>Leginさま
おぉ。Leginさまも似たようなお仕事をされているのですね(^^)

今回のプロジェクトは、サイトの存在意義そのものだけでなく
ユーザーと発注者と制作者が一緒に取り組むことができた点も
有意義だったと思っています。

やはり、ユーザーとのやり取りは大切ですね。
今まで、アクセシビリティに配慮して制作していても
なかなかユーザーの生の声は聞くことができなかったので、
今回は検討すべき点や逆に評価できる箇所など、
いろいろ意見をいただけて良かったと思っています。

以前、雑誌にFlashのアクセシビリティについて
記事を書かせていただいたことがあるのですが、
実は、その時に高知システム開発さんに記事をお見せした縁で、
今回の制作をさせていただいたんです。
(高知システム開発を介して発注者のご紹介をいただきました)

サイトの性格によって、何を優先しどこで楽をするかは、
取捨選択して良いと思います。
このサイトも、アクセシビリティ面では
(ある程度配慮はしていますが)完全を目指してはいませんし。

しもちゃん :

禁魚さん。こんにちは。
サイトのこと記事にしてくれていたのですね。
このところ、うぇるぱに福祉用具のことだけでなく、
アクセシビリティのことについて聞いてくださる方が
出てきています。
何だかとってもうれしいですね。

福祉という言葉がつくと、本当に関係ない世界!と
思われる方が多いのに悲しい思いがします。
禁魚さんが書かれているように東横の事件は最たるもの・・・
でも、密かにそこらあたりにたくさん転がっている事件
だと思います。

特別な人に特別にではなく、誰にとっても・・・と考えれば
当たり前に解決することが日本では特別になっていることが
多すぎます。

微力微力・・・ではありますが、情報発信していきたいです。
今後ともよろしく!です。

禁魚 :

>しもちゃん

 >特別な人に特別にではなく
同感です!
結局は自分を含めてみんなで安心して生きるために、
当たり前のことをきちんと考えていきたいですね。

 >うぇるぱに…アクセシビリティのことについて聞いてくださる方が
これは、嬉しいですね〜。
今度、うぇるぱ主催でアクセシビリティ講座やりませんか!

りこ :

ちゃんとこまかーく見たわけではありませんが、禁魚さんの心意気と微に入り細に入った心遣いが感じられました。
キーボードだけでブラウズできるのって、快感ですね。

MovableTypeでのサイト構築を今ごろようやく勉強中です。実践レベルの話を教えていただける機会があればいいのに...。

禁魚 :

>りこさま
また、気がついた点があればツッコミ入れてやってくださいね(^^)

# 今月末に帰省すると思うので、MovableType含めていろいろお話しましょう〜。

しもちゃん :

アクセシビリティー講座!いいですね~。
私たちも、もっと知りたいし・・・まだまだかじったばっかりで、言葉が点在している感じかな?
でも、大切だということ、仕組みのこと・・・大枠は理解できたから、もっと知らなきゃと思えるのかも知れませんね~。

昨年の6月にはほとんど言葉しか知らなかったのに・・・お手数をおかけしました!

ぜひ、学びかつ、発信のためにも企画します!


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